こんにちは、SORAです!
皆さん、衛生管理者免許試験の「合格率」や「難易度」はご存じでしょうか?
受験を考えている方は気になる部分だと思いますが、皆さんがお勤め先から資格の取得を求められているのか、あるいはご自身で資格の取得を目指しているのかなど、試験を受ける理由は様々あると思いますが、合格をイメージするためにはまず相手を知ることが重要です。
また、衛生管理者免許試験には、第一種と第二種があり、それぞれ試験の範囲、受験者数、合格率が異なります。
この記事では、衛生管理者免許試験の「合格率」、「難易度」などについてご説明します。
この記事がおすすめの人!
・衛生管理者免許試験を初めて受験する人
・衛生管理者免許試験の受験に不安がある人
・衛生管理者免許試験の難易度を知りたい人
それでは、順を追って確認していきましょう。
衛生管理者免許試験の「合格率」
以下の表は、2023年度(令和5年度)の受験者数、合格者数、合格率です。
これを見ると、第一種衛生管理者の方が若干合格率が低いですが、いずれも約半数弱の人が試験に合格していることが分かります。
よってこの結果からは、衛生管理者免許試験の難易度がそれほど高くないことが伺えます。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 | |
---|---|---|---|
第一種衛生管理者 | 67,572 | 31,108 | 46.0% |
第二種衛生管理者 | 37,061 | 18,374 | 49.6% |
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会ホームページ(統計)
次にそれぞれの受験者数、合格者数、合格率の推移です。
2014年度(平成26年度)から直近の2023年度(令和5年度)までの10年間です。
2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者数(人) | 53,111 | 55,129 | 61,500 | 65,821 | 67,080 | 68,498 | 43,157 | 68,210 | 68,066 | 67,572 |
合格者数(人) | 29,922 | 30,587 | 28,003 | 29,636 | 29,631 | 32,026 | 18,916 | 29,113 | 31,207 | 31,108 |
合格率 | 56.3% | 55.5% | 45.5% | 45.0% | 44.2% | 46.8% | 43.8% | 42.7% | 45.8% | 46.0% |
2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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受験者数(人) | 25,069 | 25,716 | 29,186 | 31,537 | 32,985 | 33,559 | 22,220 | 36,057 | 35,199 | 37,061 |
合格者数(人) | 17,365 | 16,983 | 16,189 | 17,302 | 17,271 | 18,511 | 11,729 | 17,922 | 18,089 | 18,374 |
合格率 | 69.3% | 66.0% | 55.5% | 54.9% | 52.4% | 55.2% | 52.8% | 49.7% | 51.4% | 49.6% |
いずれも2016年度(平成28年度)を境に受験者数は増加し、反対に合格率は約10ポイント低下しています。
さらに、第一種衛生管理者免許試験の合格率はその後横ばいに推移してますが、第二種衛生管理者免許試験の方は少しづつ低下しているように見受けます。
受験者数の増加は、近年の企業の労働衛生への意識の向上の現れでしょうか。
というより、社会の変化、労働衛生関係法令の整備の裏返しとも言えるかもしれませんね。
一方で、合格率の低下は、出題内容の変化に受験者が対応できなかったことが主な要因ではとも言われています。
出題変化というのは具体的には、今では当たり前ですが、「メンタルヘルス」、「ストレスチェック」などの心の健康に関わる出題の追加です。
それともう1つ、わたくし個人の憶測では、受験生の増加に伴う学習レベルの低下もあったのではと思っています。
昨今の社会変化に合わせて、企業が社員に受験を指示、推奨したものの、(比較的に合格率の高い試験で、開催も多くされていることを理由に甘く考えた受験者が)準備不足で受験した結果、合格できなかったというような感じのことです。
他の公的資格との「合格率の比較」
次に他の公的資格と合格率を比較してみましょう。
こちらは人気資格ランキングによく登場する公的資格の合格基準(ボーダーライン)などの情報です。
年度 | 受験者数(人) | 合格者(人) | 合格率 | 試験の開催回数 | |
---|---|---|---|---|---|
社会保険労務士 | 2023年度 | 42,741 | 2,720 | 6.4% | 年1回 |
2022年度 | 40,633 | 2,134 | 5.3% | ||
行政書士 | 2023年度 | 46,991 | 6,571 | 13.9% | 年1回 |
2022年度 | 47,850 | 5,802 | 12.1% | ||
宅建士 | 2023年度 | 233,276 | 40,025 | 17.2% | 年1回 |
2022年度 | 226,048 | 38,525 | 17.0% | ||
危険物取扱者 乙種4類 | 2023年度 | 446,806 | 141,881 | 31.7% | 複数回 |
2022年度 | 457,490 | 154,775 | 33.8% | ||
第一種衛生管理者 | 2023年度 | 67,572 | 31,108 | 46.0% | 複数回 |
2022年度 | 68,066 | 31,207 | 45.8% | ||
第二種衛生管理者 | 2023年度 | 37,061 | 18,374 | 49.6% | 複数回 |
2022年度 | 35,199 | 18,089 | 51.4% |
上記以外にも色々と資格はありますが、これだけを比べると衛生管理者免許試験が比較的合格率の高い試験と言うことが分かります。
ちなみに、この中では衛生管理者免許試験が1年間での試験開催回数が最も多く、受験の機会(合格のチャンス)が多い試験でもあります。
そう言った意味でも衛生管理者免許試験が合格しやすい試験といえるのではないでしょうか。
出題形式(解答方式)
出題形式も試験の難易度に影響があります。
衛生管理者免許試験の出題形式は、第一種、第二種共に5肢択一のマークシート方式です。
マークシート方式の場合、筆記試験とは異なり(少し表現が悪いですが)多少うろ覚えでも解答できる利点があります。
その点では、比較的受けやすい試験と考えることができると思います。
ただし、衛生管理者免許試験の設問の中には、単語の理解が無いと全く解答できない設問も多数出題されますのでご注意ください。
余談ですが、社会保険労務士、行政書士、宅建士、危険物取扱者乙類4種、衛生管理者の各試験の中では、唯一行政書士のみ一部筆記試験があります。
それ以外の試験は全てマークシート方式での解答です。
合格基準(ボーダーライン)
合格基準、これも難易度の指標の1つです。
衛生管理者免許試験の合格基準は、各科目※の正答率が40%以上、かつ全科目の合計得点の正答率が60%以上の2つの条件をクリアすることです。
※第一種衛生管理者免許試験の場合、科目が第二種衛生管理者免許試験よりさらに分かれており、科目ごとの判定はその範囲で行われます。
ちなみにこの条件は、他の公的資格と比較してもそう高くはありません。
なお、科目ごとでの足切りがありますが、これも基準が40%と高くは無いのでそれほど問題にはならないと思います。
参考に、人気資格ランキングに登場する公的資格の合格基準(ボーダーライン)をご覧ください。
【合格基準(ボーダーライン)】
合格基準 (ボーダーライン) | 備考 | |
---|---|---|
社会保険労務士 | 全体で概ね70% | ・選択式、択一式それぞれ各科目で足切りあり ・各年度、難易度により合格基準の補正あり |
行政書士 | 全体で60% | ・各科目(法令等科目、基礎知識科目)で足切りあり |
宅建士 | 全体で68~76% ※2023年度以前 10年間 | ・毎回、基準点が変動 |
危険物取扱者 乙種4類 | 全体で60% | ・各科目で足切り(正答率60%以上)あり |
第一種衛生管理者 | 全体で60% | ・各科目で足切り(正答率40%以上)あり |
第二種衛生管理者 |
【衛生管理者免許試験の試験範囲、出題数、合格基準(ボーダーライン)】
科目、範囲 | 出題数(配点) | 合格基準 (ボーダーライン) | |||
---|---|---|---|---|---|
第一種衛生管理者免許試験 | 労働衛生 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) | 32点 | 各科目(範囲)の正答率が40%以上 |
有害業務に係るもの以外 | 7問(70点) | 28点 | |||
関係法令 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) | 32点 | ||
有害業務に係るもの以外 | 7問(70点) | 28点 | |||
労働生理 | 10問(100点) | 40点 | |||
合計 | 44問(400点) | 240点 | かつ 全科目合計の正答率が60%以上 |
科目 | 出題数(配点) | 合格基準 (ボーダーライン) | |||
---|---|---|---|---|---|
第二種衛生管理者免許試験 | 労働衛生 | 有害業務に係るもの以外 | 10問(100点) | 40点 | 各科目の正答率が40%以上 |
関係法令 | 有害業務に係るもの以外 | 10問(100点) | 40点 | ||
労働生理 | 10問(100点) | 40点 | |||
合計 | 30問(300点) | 180点 | かつ 全科目合計の正答率が60%以上 |
いかがでしたか?
合格率、出題形式、ボーダーラインからみる衛生管理者免許試験は、比較的に取得しやすい資格ではありませんでしたか?
こちらの記事ではおすすめの参考書を紹介しています。
まとめ
今回の記事では、衛生管理者免許試験の「合格率」、「難易度」などについてご説明しました。
今回のポイントをまとめると次の通りです。
ま と め |
---|
✓衛生管理者免許試験の「合格率」は他の公的資格に比べても高い ここ最近の合格率は、第一種衛生管理者免許で約45%前後、第二種衛生管理者免許試験が約50%前後 |
✓出題形式が第一種、第二種共に、5肢択一のマークシート方式のため、解答しやすい |
✓合格基準(ボーダーライン)は全科目合計点数の60%で他の資格と比較してもそれほど高くはない ただし、科目ごとでの足切り(40%)あり |
皆さん、いかがでしたか?
衛生管理者免許試験の「合格率」、「難易度」などの情報は確認いただけましたか。
衛生管理者免許試験の出題形式はマークシート方式のため解答しやすく、合格基準はそれほど高くはない。
加えて、合格率は他の公的資格比べて高くとても取組みやすい試験です。
このサイトでは、資格の情報や試験合格のためのお役立ち情報を発信していきます。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
こちらの記事ではおすすめの参考書を紹介しています。